2021年12月31日は、冬なのに気温が16度でした。
2022年元旦も快晴で、気持ちよく年始を迎えました。
2022年の健康ライフのキーワードは、
「エピジェネティクス(epigenetics)」!
聞き慣れない言葉ですが、”心身ともに健康”を目指す言葉として、フランスで最近よく使われるようになってきています。
簡単に言うと、生まれ持った DNAは変化しませんが、エピジェネティクスをオン又はオフすることで DNAに上書し変化させることができるというのです。
DNA 塩基配列には、遺伝情報を持っている部分と持っていない部分があります。
遺伝情報を持っている領域のみ「遺伝子」と呼びます。
DNAに含まれる全情報のうち、遺伝子の部分は1.5%ほどしかありません。
エピジェネティクスをオン・オフするには、環境やライフスタイル(食事、ストレス、身体活動、社会的関係、生きる喜び)などから、遺伝子に影響を与えていきます。
なので、”遺伝だから”とあきらめずに、自分自身のライフスタイルを良い方向へ変えることによって健康的な人生を過ごすことができるということなのです!
しかも、変化させた、エピジェネティクスは孫へと受け継がれていくことがわかっています。
例えば、DNAの全く同じ子供たちの母親が、妊娠中に食べた食事や喫煙といった行動によって、子供たちの健康に違いが現れることを示唆しています。
もう一つ、エピジェネティクスにおいて重要なポイントは、エピジェネティクスが伝搬するのは妊娠中の母親から胎児へだけでなく、卵子/精子の遺伝子に定着すると、孫、ひ孫というように世代から世代へと遺伝するというのです。
つまり、このことはライフスタイルが数世代先の子孫に影響するかもしれないと考えられます。
スウェーデンとイギリスで長期にわたって行われた研究では、若い男性が精子の発育する思春期よりも以前に食べ過ぎたり、タバコを吸い始めると、彼の子どもや孫の寿命が短いという結果があるそうです。
これはエピジェネティクスが食事と喫煙行動によって変化し、次世代の将来の健康に影響したと考えられます。
人間が、健康ライフをおくるには、エピジェネティクスが影響していることがおわかりいただけたでしょうか?
現在では、エピジェネティクスをコントロールすることによって DNAのメチル化を正常化することができれば、がん治療ができるのではないかと考えられており研究が進められています。
また、最近の研究では、ライフスタイル、環境、心理的変化によって、エピゲノム(遺伝子情報)が後天的(生まれた後)に変化することも明らかになっています。