今回、隣家との間の敷地境界線上にある共有の木を伐採しました!
なぜ伐採することになったのか!その経緯
お隣さんから、「うちの倉庫がこの2本の木で壊れそうなので伐採したい。」と言って来たのです。
お隣さんは、家を購入して17年になります。
入居した時には、既に倉庫はあったそうです。
当時、誰が?何で?
木のそばに倉庫を建てたのでしょうか?
私がこの土地を購入した時には、既に、この2本の木は写真のような状態でした。
また、お隣さんはなぜ、ここまで大木になる前に伐採しなかったのでしょうか?
しかも、お隣さんは、この2本の木の所有は私の方だと言うのです!!!
写真を見てもらうと分かる通り、手前はお隣さんの方から成長した木、奥はうちの方から成長した木だと分かります。
そこで、そう言われて人間として思ったことが…
- うちには関係ない
- 伐採したくない
- 伐採代を払いたくない
以上、この3点です。
法律で解決!フランスの民法
フランスの民法第669条および670条は、一般的な樹木に適用される規則を規定しています。
樹木、低木、潅木(かんぼく)に適用される規則は、1804年に民法が制定されたときに作られたもので、下記のとおりです。
1 – 「共有」植物
共同の所有権の定義 : 敷地境界線上に植えられた木は、共有しているとみなされます。さらに、敷地境界線上の垣根は、共有の垣根となります。
樹木の除去 : 各所有者は、隣接する樹木の撤去を要求する権利を有する。枯れたり、切ったり、根から掘り起こしたりした木は半分ずつ分け合うこと。
ジャルディニエを呼ぶことに…
ジャルディニエ(jardinier)は、フランス語で「庭師」のことです。
伐採代金はいくら掛かるか分からないので、見積もりも兼ねて問題点を明確にするために庭師に相談することになりました。
その結果、
- この2本の木は、共有の木である
- この木によって屋根や外壁などに大きなダメージを与える可能性が十分にある
- 伐採した木は半分ずつ分けること
- 支払いは半分ずつ
話した結果、もし倉庫がこの2本の大木のせいで壊れた場合、半分は私の責任になり、私の保険から半分支払うことになるのです…。
伐採の見積もりを出して頂いた金額より高く付くと言うのです!
そこで、合意のもと伐採することになりました。
が、しかし!
私たちの住む場所は文化遺産の建築物があり、勝手に伐採することができません!
伐採するにあたって許可をもらわなければならないのです…。
この書類は、市役所で手続きを行いますが、役所の人も嫌がる面倒な手続きで、しかも、提出してから”審査に1ヶ月は掛かります”と、書類に書かれているではありませんか!
その後…
嬉しいことに、フランスでは珍しく、
1ヶ月待たずに伐採許可をもらうことができました。
直ぐに、庭師に連絡を取り、葉っぱが生える前に伐採してもらうことにしました。
参考にして下さい!植栽の高さが2メートルを超える場合
植栽の高さが2メートルを超える場合は、2つの不動産の境界線から2メートルの距離に植えなければなりません。
2メートル未満の場合は、半メートル(0.5メートル)の間隔で植える必要があります。
隣人が規則に従わなかった場合、法定の距離よりも短い距離に植えられた樹木、低木、茂みを根こそぎ倒すか、法定の高さまで下げることをこちらから要求することができます。
かっこいい!フランスの庭師
肖像権があるため、うちの庭師の実際の写真はありませんが、この写真のイメージは全く同じです。
命綱をつけた1人の庭師は素早く木を登り、2人で作業を進めていきます。
1人は、地上で伐採されていく木を受け止める仕事で、2人でコンタクトを取りながら、どんどん作業を進めていくので圧巻です!
朝8時から昼食を取っただけで、ほとんど休憩無して17時まで作業してくれました。
この、伐採した木は、暖炉と薪ストーブに使用する予定です。
伐採後、斧を使ってお隣さんと仲良く、暖炉と薪ストーブ用の大きさに切った木を分けました。
今回、日本の民法と比べてみましたが、樹木にかかわる民法は日本もフランスも同じです。
隣の木が邪魔だからといって、勝手に切ってはいけません。
お隣さんに、上手に話して切ってもらうように頼みましょう。