夏のバカンスに入ると、フランスでは、スピード違反の取締りが強化されます。
この期間、スピード違反者を捕まえるために、上手に隠れる警察官たち…
”かくれんぼ”しているかように、
走行しながら、この警察官たちを見つけると、
スピード違反していなくても”ドキドキ”な思いをしていました。
しかし、ここ最近、スピード違反の取締りをしている警察官を、
まったく見ることがなくなったと思うのは、私だけでしょうか?
スピード違反の減点廃止
フランス内務大臣は、
2024年から時速5km/h未満のスピード違反は減点対象から外れると発表したのです!
ちょっとしたスピード違反は、OKってことなの?
誰も予想していなかったし、誰も本当に求めていなかったことが、実現することになりました。
法律は、今から来年にかけて変更されます。
2023年、スピード違反に応じた罰則
現在のスピード違反の度合いによる罰則は、下記のとおりです。
・ 市街地以外の道路で、制限速度を20km/h未満超過した場合、
罰金は68ユーロ、運転免許証から1点減点。
・ 制限速度を20km/h未満で超過したが、制限速度が50km/hの市街地で超過した場合、
罰金は135ユーロ、運転免許証から1点減点。
・ 時速20km/hから30km/hのスピード違反の場合、
罰金は135ユーロ、運転免許証から2点減点。
・ 時速30km/hから40km/hのスピード違反は、
罰金は135ユーロ、運転免許証から3点が減点、その上、免許が3年間停止され、
特定の自動車の運転が、最長3年間禁止され、交通安全教育コースを修了しなければなりません。
・ 時速40km/hから50km/hのスピード違反の場合、免許証の点数が4点減点、免許が3年間停止され、
特定の自動車の運転が、最長3年間禁止され、交通安全教育コースを修了しなければなりません。
・ 時速50km/h以上のスピード違反に対する罰則はさらに厳しく、
罰金は1,500ユーロ、免許の減点数は6点、免許は最長3年間停止されます。
また、3年間特定の自動車の運転が禁止され、車両が没収されることもあり、交通安全教育が義務付けられています。
では、2024年1月1日から何が変わるのでしょうか?
実は、ほとんど変わりません。
この法改正は、「意図的でない、不注意によるスピード違反の行政的な”免罪符”」
つまり、時速5km/h未満のスピード違反ならば免除するということなのです。
わかりやすく説明すると、今まで、制限速度が50km/hの町を、うっかり時速53km/hで運転し、運悪くスピード違反で捕まった人がよくいました。
日頃、この運転手たちは、スピードに気をつけているにもかかわらず、
不注意による”たった時速3km/h”で、罰金を払わされることがよくあり、
フランス国民は、「警察官は、税金を集めている!とか、警察官は、罰金徴収するノルマがある」
と言いたくなるほど、腑に落ちないスピード違反による罰金徴収でした。
実際に、2020年のデータによると、スピード違反の半数以上(58%)が、時速5km/h未満だったそうなのです。
そこで、今回の法律改正となりました。