フランスの家庭によく常備されている薬「解熱・鎮痛・鎮静剤」である「ドリプラン Doliprane®」
実は、去年2024年10月に米国のファンド(fonds CD&R)が、この「ドリプラン Doliprane®」を製造しているフランスのサノフィ(Sanofi)を買収すると発表、
フランスで最も売れている医薬品が、アメリカの支配下に入るという恐怖が、
フランスの政界とフランスの経済界、そしてフランス国民の不安を掻き立てました。
ご心配なく
そこで、フランス政府は、サノフィのヘルスケア部門であるオペラ(Opella)に対する
支配権を保持するため、
オペラの資本金の約2%を保有する少数株主として参加、
フランスのリジューとコンピエーニュ(Lisieux et à Compiègne)で生産されている
ドリプランの生産移転を防ぐため、三者協定に署名し、
アメリカのファンド(fonds CD&R)とフランスのサノフィ(Sanofi)は、
違約金と引き換えに、他の医薬品についても、
フランス国内で生産することを約束し、強制解雇も禁じたのです。
そして今年2025年、買収の詳細について、
サノフィの総売上高の約12%に当たる52億ユーロの売上高をあげている
オペラの資本の半分を買収する契約を結んだと発表しました。
この契約は「早ければ2025年第2四半期」に発効します。
ご心配なく、今後もフランスのサノフィ側は、重要な株主です。
フランスの家庭に常備されている薬10選
1.発熱と頭痛にパラセタモール
パラセタモールはフランスで最も売れている鎮痛剤で、Doliprane®、Dafalgan®、Efferalgan®などさまざまな商品名があります。
一般的に、発熱や頭痛、生理痛、歯の痛みなどの痛みを和らげるために使用されます。
2. イブプロフェン、より強力な抗炎症薬
イブプロフェンは非ステロイド性抗炎症薬で、パラセタモールでは効果が不十分な場合の痛みや発熱の治療に用いられます。
パラセタモールと併用することも、交互に服用することもできます。
イブプロフェンを主成分とする医薬品( Advil®, Nurofen®, Ibupradoll®)には、考慮すべき禁忌と副作用が多数あるので気をつけましょう。
3. 筋肉痛用鎮痛クリーム
鎮痛効果のあるジェル、クリーム、軟膏は、筋肉、腱、靭帯、捻挫や打撲などの軽傷の痛みを和らげます。
ジクロフェナク(VoltarenActigo®、Flector®)、サリチル酸塩(Baume Aroma®、Baume Saint-Bernard®)などの鎮痛成分が含まれています。
4. スパスフォン Spasfon®
スパスフォンは、消化管、胆道、尿路(腎性大腸炎)、女性生殖器の痛み、妊娠に伴う子宮収縮に適応を持つ鎮痙剤です。
2歳以上の小児に投与することができます。
5. スメクタ Smecta®下痢止め
腸の痛みを伴うかどうかにかかわらず、急性の下痢を治療するための消化剤として使用されます。
2歳未満の小児には推奨されていません。
6. 胸やけに効くギャビスコン Gaviscon®
ガビスコンは、胃酸の逆流や胸やけを引き起こす胃食道逆流症(GERD)の治療に用いられる局所制酸剤です。
胃液の表面に泡状のゲルを形成するアルギン酸ナトリウムと、酸を中和する炭酸水素ナトリウムを含有しています。
7. 傷口を消毒する局所消毒薬
消毒薬としてよく知られている局所消毒薬は、感染のリスクを抑えるために創傷を消毒するために使用されます。
水性クロルヘキシジンは、Septimyl®、Diaseptyl®、Dosiseptine®などの特殊薬剤と単独で、
またはBiseptine®などの他の消毒薬と組み合わせて使用されることが多いです。
8. 消毒用洗口液
この薬は、30秒間口の中に含み、その後吐き出す溶液です。
例えば、Hextril®, Eludril®, Paroex®などがあり、歯肉の炎症、膿瘍、口内炎、アフタなどの口腔疾患の治療に使用されます。
9. 目の炎症用洗眼液
ホコリや花粉、結膜炎の分泌物などで目に炎症が起きたときに使用します。
点眼することで、炎症を速やかに緩和することができます。
Dacryoserum®、Dacudoses®、ホウ砂とホウ酸をベースにしたジェネリック医薬品が
販売されています。
10. のど飴
のど飴や錠剤は、のどの消毒に使用できます。
Strepsils®やHumex mal de gorge biclotymol®のように、局所消毒薬のみを含むものもあります。
Drill®, Cantalène®, Strepsils lidocaïne®のように、痛みに作用する局所麻酔薬が追加されているものもあります。