映画やドラマを定額で見放題サービスを提供するIT企業、NETFLIX(ネットフリックス)は、
2015年に日本進出、フランスでは、2017年から配信が開始されています。
ネットフリックスのサービスは、2019年の新型コロナウイルスにより、
外出制限になるまで、聞いた事がありませんでした。
しかし、ステイホームの影響で、世界中で”ネットフリックスブーム”を巻き起こしたサイトです。
現在フランスのネットフリックスは、標準的な放送やケーブルテレビと同様の、
プログラムされたリニア配信(ユーザーは何を観たいか選ばなくて良い、
受身のサービスモデル)になっています。
どうも、フランンス国民は、次に何を見るか、
自分で選択せずに番組を見ることを好む傾向があるらしいのです。
このネットフリックスの成功は、高画質の動画をストレスなく再生するストリーミング技術や、
世界中から人気コンテンツを買い集める潤沢な資金力に強みがあると言われています。
近年はオリジナルドラマやオリジナル映画の制作に力を入れており、
データをもとに監督や俳優を決めるなど、斬新な手法を取り入れ、
”ネットフリックスブーム”に拍車をかけています。
トップ10入りした初めてのフランス製作ドラマ「ルパン」
Merci 🙏🏿
#1 🌍🌏🌎 pic.twitter.com/H0nPtlc6JG— Omar Sy (@OmarSy) January 10, 2021
配信直後にトップ10入りした初めてのフランス製作ドラマ「ルパン」は、お勧めの作品です !
ネットフリックスでヒットする事は、快挙であり、
しかも”フランスのドラマ”がランク入りすることは、今までありませんでした。
このドラマは、フランスの格差社会や移民の差別問題なども描かれたシナリオで、
紳士で七変化の怪盗ルパン(オマール・シー)をはじめ、
フランスの俳優達がいい演技を見せています。
また、パリのルーブル美術館、パリの町並み、そしてノルマンディーのエトルタなど、
魅力的にフランスの良さを見せています。
オマール・シー(Omar Sy)
ルパンを演じるオマール・シー(Omar Sy)は、
主演した2011年の映画『最強のふたり』で、第24回東京国際映画祭最優秀男優賞を受賞しました。
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第37回セザール賞主演男優賞なども受賞しています。
その後、有名な映画に数多く出演しています。
私は、オマール・シーが俳優として成功する前から、
お笑い芸人としてテレビでよく見ていました。
Canal+「Le Grand Journal」の番組に、『Le Service après-vente des émissions
(SAV des émissions)』というタイトルで、
お笑いコンビ「オマールとフレッド」の名前でテレビに出演していました。
アフターサービスの電話受付センターと言う設定で、
お笑いコンビが交互に様々なお客のキャラクターになり電話対応する、
2分間の短いコメディーです。
今思うと、この経験が、ルパンを演じるために生かされていると思いました。
日本で「ルパン」と言うと「ルパン三世」
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「ルパン三世 カリオストロの城 1979年 宮崎駿」
日本では、「ルパン」と言うと、みんな「ルパン三世」の事だと思うようです。
ネットフリックスのルパンは、フランス人推理小説家「モーリス・ルブラン」に
執筆された作品を元にドラマ化されています。
日本の漫画も、フランス人推理小説家「モーリス・ルブラン」の作品からヒントを得たもので、
”不二子ちゃん”は、架空の人物です。
日本のルパン三世は、加藤一彦さんが1967年に『週刊漫画アクション』で、
モンキー・パンチというペンネームで連載し、人気になった漫画で、
モーリス・ルブランが作った怪盗アルセーヌ・ルパン(ルパン一世)の孫という設定です。
「ルパン三世」は、フランスでは、「エドガー」
フランスでも、日本のアニメ『ルパン三世』が放送されていました。
タイトル名は、『エドガー・ドゥ・ラ・カンブリオール』というタイトルです。
実は、モンキー・パンチはモーリス・ルブランの相続人に「ルパン」の使用許可を求めなかったため、最終的に、日本でのみ使用できることが合意されていたのです。
その後、「ルパン」という名前は、2012年1月に、モーリス・ルブランの経済的権利が失効したことで、シリーズにオリジナルの名前「ルパン」が世界的に使用されるようになります。
『エドガー・ドゥ・ラ・カンブリオール Edgar de la Cambriole』
- 慈眼大輔(Isidor/Jigen):ルパンの側近で、本物のガンマンである。
- 峰不二子(Magali Mine):ルパンの愛人で、ルパンを操るのが好きで、可愛くて気まぐれな女性。
- 石川五右衛門十三世(Goemon Yokitori):忍者石川五右衛門の子孫で、誰にも負けない剣を振るう武士。
- 銭形浩一(Inspecteur Gaston Lacogne):ルパンの大敵、銭形平次の子孫で、ルパンを捕まえることだけが人生の目的の警部。
フランス人推理小説家「モーリス・ルブラン」とエトルタ
ノルマンディー地方にある断崖の街エトルタは、大自然が作り出した最も代表的な風景、
象の鼻のような形をした細いアーチの「アヴァルの断崖」で有名な街です。
この風景は、クロード・モネをはじめ多くの印象派画家を魅了した場所で、
「アヴァルの断崖」を描いた多くの作品が残されています。
モーリス・ルブラン作「怪盗紳士アルセーヌ・ルパンシリーズ」では、
このエトルタが舞台になった「奇巌城」は、有名な作品の一つで、
様々な国で映画化されています。
船で、海側から絶景を見学する事も出来ます。
「ルパン荘 Le Clos Lupin」
エトルタに、「アルセーヌ・ルパンの家」という、モーリス・ルブランの歴史美術館があります。
私も、2回行きました。
鏡文字を解読したり、ルパンの変装着が展示していたり、
モーリス・ルブランの書斎や、アルセーヌ・ルパンの作品の歴史を見る事が出来ます。
子供から大人まで楽しめ、庭も素敵で、ゆっくり見学できるのでお勧めです。
パリから日帰りで観光できる場所にあるので、是非、訪ねてみて下さい。
フランス語で、
「ルパン」を楽しんで見てはいかがでしょうか?