フランスでは、日本の漫画やアニメが世代を問わず大人気です!
今回は、日本の漫画とアニメの大ファンというピエール=ステファン・プルースト(Pierre-Stéphane Proust)さんの、時間をかけて収集した、漫画とアニメに関するコレクションと日本の漫画の歴史を紹介した展示会があったので行ってきました。
日本の文化であり、日常生活に欠かせない漫画とアニメが、フランスをはじめとする世界各国で関心が高まり、魅力的な存在となっています。
フランスでは、1970年代の終わり頃から、日本のアニメーションが放映されるようになりました。
(ゴルドラック、キャンディー・キャンディー、キャプテン翼など)
今までフランスでは見たことのないスタイルが新鮮で、あっという間に多くの若者や大人を魅了します。
フランス大統領も漫画好き
2021年、G7首脳で唯一東京五輪開会式に出席したフランスのエマニュエル・マクロン大統領は、菅首相との首脳会談後、7月24日に、日本の人気漫画家やクリエイターたちと面会していたことが判明し、大きな話題を呼びました。
マクロン大統領は首相官邸で人気SF漫画『AKIRA』の作者・大友克洋氏や人気ゲームシリーズ『DARK SOULS』の生みの親であるクリエイター・宮崎英高氏、人気ファンタジー漫画『RAVE』や『FAIRY TAIL』の作者である漫画家の真島ヒロ氏と面会したのです。
漫画『ONE PIECE』の作者・尾田栄一郎氏と会うことは叶わなかったものの、尾田氏から直筆のイラストをプレゼントされたことをメディアが報じました。
北斎と漫画
ピエール=ステファン・プルーストさん曰く、 ”MANGA “という言葉には、「嘲笑的な絵」という意味があると言っています。
また、日本の”漫画”という言葉は、偉大な版画家・浮世絵師である北斎(1760-1849)の弟子のための画集に”漫画”という言葉が使われていたという事をこの展示会で説明しています。
素晴らしいコレクション「紙芝居」
ご自慢のコレクションと言う、「紙芝居」は、歌い手さんが観客の目の前で絵に合わせて物語を語りながらスクロールする、一種の”旅芝居”です。
折りたためるこの”小さな劇場”は、自転車の荷台に取り付けられています。
2本の棒を叩いて人を呼び、訪問を知らせ、お菓子を売ってから紙芝居を始めていました。
日本の伝統文化の一つである紙芝居は、版画と同様に、漫画の作者や作家に大きな影響を与えてきました。
月刊、週刊の漫画
ガロといえば白土三平氏を筆頭に、「ゲゲゲの鬼太郎」で有名な水木しげる氏、「南くんの恋人」の内田春菊氏、テレビタレントとしても活躍しているみうらじゅん氏、蛭子能収氏他
”漫画は一人で描くもの”という常識をくつがえし、分業での制作態勢を確立した、さいとう・たかおさんの「ゴルゴ13」
”漫画の神様”手塚治
フランスのアングレーム(Angoulême)では、毎年、ヨーロッパ最大級の「アングレーム国際漫画祭」が開催されています。
1974年から開催されているこのイベントは、フランスで最も古いマンガ関係のイベントであり、1982年に手塚治虫氏も訪れています。
第45回目の2018年には、手塚治虫の生誕90周年を記念して、「手塚治虫」をテーマとした特別展覧会「OSAMU TEZUKA MANGA NO KAMISAMA」が開催されました。
日本で活躍したフランス人
1882年、日本に移住したフランス人画家ジョルジュ・ビゴーは、数多くの画集や風刺新聞「トーバエ」を発行し、日本の漫画家に大きな影響を与えました。
1899年にフランスに戻ると、1905年まで新聞や雑誌に様々なイラストや漫画を書き、精力的に活動しました。
歌川国芳のユーモア
200年ほど前の作品なのに、何度見ても面白い「寄せ絵」、
作品タイトルもユーモアたっぷり、
作品名 : 「みかけハこハゐが とんだいゝ人だ」 (見かけは怖いがとんだいい人だ)
この展示会では、漫画に影響を与えた日本の浮世絵も数多く展示されていました。
全てお伝えできないほど充実しており、予想以上に見ごたえのある展示会でした。
ピエール=ステファン・プルーストさんは、国立の教育機関で30年間働いた後、自分のコレクションの展示会を年間60回開催しており、積極的に活動しています。
日本でも展示会が開けるくらい、漫画の歴史など、
わかりやすくまとめられていて素晴らしいものでした。