フランスでは、国の方針として、L’offre « 100 % Santé » dentaire !をスローガンに、歯の治療に対して治療費の払い戻し金額100%を目指しています。
既に、フランスでは2020年1月1日より、歯のブリッジやクラウンの費用を国民健康保険と補完する保険 (mutuelle ムッチュエル) で100%払い戻しされるようになりました。
そして、今年2021年1月1日より、義歯(取り外し可能な入れ歯)にも、払い戻しが適用されるようになったのです !
Sécurité sociale l’Assurance Maladie
フランスでは、国民健康保険(CNAM)は、Sécurité sociale ( セキュリテ・ソシアル) と呼ばれ、大きく分けて、4つの部門があります。
- 疾病保険(病気、出産、障害、死亡など)
- 家族扶助(家族手当、各種生活扶助など)
- 年金(老齢、遺族など)
- 労災保険
このうちの、疾病保険(Assurance Maladie アシュランス・マラディ) は、社会保障制度の病気(病気、出産、 失効、死亡)と業務上の事故・職業病(AT-MP)を管理し、医療機関の受診、治療、入院や手術で発生した金額の、その一部又は全額を払い戻しするシステムです。
Carte Vitale
払い戻しを受けるには「Carte Vitale カルト ヴィタル」を申請して、所持する必要があります。
社会保障番号(NIR)は、自分だけの固有の識別番号であり、誰もが自分と同じものを持つことはできません。
それはある意味「国民識別番号」となります。
カード番号は、1が男性、2が女性、そして、生まれた年、次に生まれた月…と識別されています。
上記のカードは、ナタリー · デュラン 女性 1969年5月生まれと分かります。
インプラントの値段と払い戻し
義歯の種類には、入れ歯、ブリッジ、歯科インプラントがあります。
入れ歯とブリッジは、100%保険が利きますが、インプラントは、まだ保険が利きません。
しかし、加入しているムッチュエルによっては、一部費用を負担してくれます。なので、現在フランスでは、インプラントにする方が増えています。
ムッチュエルの会社や、歯医者が、どのマークのインプラントを使用しているかにもよりますが、下記の情報を参考にして下さい。
ちなみに、インプラントは、スウェーデン発の歯科技術です。
- スエーデン製のインプラント 900ユーロ
- Cone beam(歯科用コーンビーム CT) 150ユーロ
- 治療費 0ユーロ
- インプラントのクラウン +?ユーロ
インプラントのクラウンの料金が別に掛かります。値段はクラウンの材質や歯の位置によって異なります。なので、?ユーロにしました。
皆さんの加入しているムッチュエルによりますが、インプラントには年間300ユーロの補助が出ます。
注意 : ムッチュエルによってはインプラントの補助がない会社もあります。加入しているムッチュエルを確認して下さい。
フランスでは通常、歯科インプラントの負担金の平均が1,300ユーロと言われています。
そこで、ムッチュエルの契約が、低額、中額、高額により自己負担の金額がかなり違います。
ムッチュエルを月々、高額支払っている方は、インプラントの治療費の自費は、100ユーロです !
興味のある方は、各自のムッチュエルと照らし合わせて、調べてみて下さい。
2月から歯医者通い
私も、2月から、歯医者に通う事にしました。
20年以上前に治療した、上下2本の犬歯のセラミックスクラウンを入れ替える事にしました。(今も、セラミックスクラウンですが、古くなって、歯茎に負担がかかっているようなので…年を取ると歯茎が痩せてくると言いますもんねぇ)
現在フランスでは、歯医者は、必ず患者に、見積もりを提示しなければなりません。最初の検査で、実施するケアを明記した治療計画書と一緒に見積もりを提示してくれます。
- 計画書と見積もりは必ずチェックしましょう。
- 患者も選択する権利があります。
- 気になる点がある場合はこの時点で質問解決しましょう。
この見積もりにて、詳細を確認したら、ムッチュエルに問い合わせることで、最終的に自己負担の金額が分かります。
改革前のセラミッククラウンの平均価格は550ユーロでした。健康保険とムッチュエルによる355ユーロの払い戻しの後、自己負担で支払う費用が約195ユーロ=24,570円でした。(2月現在1ユーロ=126円)
今回、私の見積もりを見ると、歯の土台は、保健対象外なので、2本で170ユーロ=21,420円は、自己負担となります。
保健が利く、1,410ユーロ=177,660円は、払い戻しになります !
もちろん、治療する事に決めました。
L’offre « 100 % Santé » dentaire !
歯の健康が寿命を延ばす !
噛むこと、飲み込むこと、会話をすることなど、口に関係する機能は、全身の健康にもつながっています。
例えば咀嚼能力の低下は、しっかりと食べ物を噛めないことから、消化器に負担をかけます。
そればかりか脳の活動低下をもたらし、認知症の発症や重症化に影響しているとされています。
また、歯が多く残っている人や、歯が少なくても義歯等を入れている人では、歯が少ない人、また義歯を入れていない人と比較して、認知症発症や転倒する危険性が低いということがわかってきています。
歯や口を健康に保って、
健康寿命をのばしましょう。