フランスでも癒しである森林浴がブームです。 日本語の『 Shinrin-Yoku 森林浴 』という言葉もフランスでよく使われています。現在では、フランス語の『 Sylvothérapie シルヴォテラピー 』よりも日本語の『 Shinrin-Yoku 森林浴 』のほうがフランスでは浸透し、よく使われているくらいです。この影響で、日本語をフランス語に直訳した言葉『 bain de forêt バン·ド·フォレ 』もここ最近、良く使います。
フランスでは、”le bien-être 癒し” につながる言葉に ”bain de ∼” とつける習慣があります。『 bain de soleil 日光浴 』、『 bain de mer 海水浴 』そして『 bain de forêt 森林浴 』など。
フランスは、領土の1/3以上が森林地帯です。いつでも、森林浴できる素晴らしい環境に恵まれている一国なのです。
フランスで35年前に出版された森林浴の本
Georges Plaisance ジョルジュ・プレサンス
80年代にディジョン大学で生態学の博士号を取得した Georges Plaisance ジョルジュ・プレサンスは、1961年から執筆をはじめ数多くの本を出版しています。その中に、『 Forêt et santé 森と健康 』 シルヴォテラピーについて執筆した本があります。
この本の内容は、ウェルビーイング(well-being)と医学の観点から、50年代から90年代にかけてフランス、ロシアと東ヨーロッパにて、高血圧、喘息、癌、結核に苦しんでいる人々のためのシルヴォテラピーによる治療法について書かれています。また、この本には、森林の景観管理と生物への影響などの観察結果についても書かれています。
ジョルジュ・プレサンスは、さまざまな環境下の空気の微生物分析も行っていました。彼の著書の中に、空気1立方メートルあたりの微生物の数のデーターの結果が記載されています。その測定結果は、森では50、パリのモントゥリス公園では1000、シャンゼリゼ通りでは88000、主要な大通りでは575000、パリのデパートでは40000という結果だった事が記録されています。また、森は最大酸素量を確保するために好ましい場所であり、森林の空気は光合成に連動したO2(酸素)が豊富で、オゾンも都会に比べて少ないと書かれています。
” 森の空気は、新鮮度100% のエッセンシャルオイル ”
森の空気は、針葉樹(松、ヒノキなど)の素晴らしい治療効果を持つエッセンシャルオイルで満たされています。落葉樹林には強壮・鎮静作用があり、針葉樹林には精力・抗菌作用があると言われています。落葉樹と針葉樹が混ざった森の中を散歩することで、バッテリーを充電し、エネルギーのバランスを整えることができます。樹木はまた、フィトンチッドという天然の抗生物質分子を分泌しています。このフィトンチッドは、リラックス効果のある体にいい成分なのです。
森林浴におすすめ Forêt de Huelgoat ユエルゴアトの森
Forêt de Huelgoat ユエルゴアトの森 ー Le chaos rocheux 巌窟
伝説の森、神秘的な森と言われている、『 Forêt de Huelgoat ユエルゴアトの森 』国有林です。
到着して、森の中を流れる川に沿って積み重なった巨大な岩石の壮大な風景を見るや否や、感嘆と驚嘆の声を上げたくなるほど感動する森です。力強くユニークな風景を見る事ができます。
ここの森の岩石は、地球の深部で溶融した液体の塊として形成され、地球の地殻に近づいてきたと考えられます。時間が経つにつれ浸食され、そのうちのいくつかは斜面を転げ落ち、互いにぶつかり合いながら、巨大な岩の山のように積み重なっていき森林になった、と言われています。
ブナ、オーク、クリの木がこの森の主な樹種です。コケやシダは非常に高い湿度の影響を受けており、ヨーロッパでも稀な品種の植物も見つけることができます。
森林浴しながら見られる岩に名前が付けられています。震える岩、アルチュスの洞窟、悪魔の洞窟、キノコ、妖精の池…など、地質学的に珍奇な岩石を見ることができます。
バランスの取れる点を見つける事ができれば、この137トン、長さ7m の巨石を背中で揺らすことができます。行って試してみて下さい。
巨石のトンネル
巨石の島
地図と案内も参考にして下さい。









