しかし、高速自動車道や環状線道路以外の道路など、限られた道路でしか運転できません。また、この車は乗用車の欧州基準を満たしておらず、特に安全基準については、ABS、エアバッグ、ESP、TPMS、AEB の使用や衝撃保護の義務がないのです。
- ABS アンチロック・ブレーキ・システム(Anti-lock Brake System)急ブレーキをかけた時などにタイヤがロック(回転が止まること)するのを防ぐことにより、車両の進行方向の安定性を保ち、また、ハンドル操作で障害物を回避できる可能性を高める装置です。
- エアバック
- ESP 横滑り防止装置(Electronic Stability Program)車の旋回時における横滑りを防止する装置のことです。
- TPMS タイヤ空気圧監視システム (Tire Pressure Monitoring System)タイヤの空気圧や温度を送信機内のセンサーで直接測定し、その情報を無線で車体側の受信機に送り、ドライバーに異常を知らせるシステムです。
- AEB 自動緊急ブレーキ/衝突回避支援ブレーキ (Automatic Emergency Braking) 衝突被害軽減ブレーキの一種で、EU-NCAP(欧州における自動車アセスメント)では、プリクラッシュ・セーフティ・システム(衝突予知安全装置)をAEBと呼んでいます。2014年から行う衝突安全試験ではAEBが評価項目として追加され、五つ星を獲得するにはAEBの装備が前提となります。
安全装置のない車を運転するのは怖い気がしますが…自動車保険には必ず加入しましょう !!
フランスでは14歳から運転可能
14歳から「AM免許証」(旧交通安全証明書BSR)を持っていれば、ヴォワチュレット(超小型自動車)と原動機付自転車が運転できるのです。
Le permis AM (Apprenti motard の略 見習いバイカー)
フランスでのヴォワチュレット(超小型自動車)の運転について、1987年12月31日までに生まれた人は、「AM免許証」無しで運転できます。”100% 無免許で運転できるのです。”
1987年生まれと1988年生まれを境に法律が違います !!
1988年1月1日以降に生まれた人は、交通安全検定に合格し、「AM免許証」(旧交通安全証明書BSR)を所持していれば、運転することができます。また、フランスでは、「AM免許証」は14歳から取得できるため、14歳からヴォワチュレットを運転することが認められているのです。
「AM免許証」を取得するには
「AM免許証」は、理論(ASSR1級、2級)と実習で構成されています。
理論の試験
1級、2級の交通安全証明書(ASSR)または(ASR)取得するには、交通法規に関した理論の試験に合格しなければなりません。
ASSR1級試験
中学5年生または14歳に達した生徒のための試験です。
試験は毎年、第2学期終了後の学校時間帯に行われます。20問の多肢選択問題の形をとり、動画で説明します。この証明書を取得するには、10/20点(20点満点中 10点)を取得する必要があります。試験に不合格となった生徒は、校長からの要請があれば、同じ期間に補習テストを受けることができます。
ASSR2級試験
この証明書は、中学3年生クラスで、原則として16歳までに取得します。
なぜならフランスでは、15歳から自動車の運転免許証取得のために、自動車教習所などへ登録することができるからです。この時、ASSRまたはASRが必要となります。
• ASSR(1級または2級)またはASRは、一般自動車の運転は許可されていません。
実習終了証明書取得
登録するには、
ASSR(1級または2級)かASRを持っていれば実習を受けることができます。
実習は自動車教習所、または認定された社会・職業訓練校、社会復帰協会が行います。
内容
以下の2つの中から選択
- ヴォワチュレット 超小型自動車 14歳から登録可能 運転手を含む2人以上乗車できる4輪自動車。最大可搬重量は250キログラム。最高速度は45km/h。最高出力6kWのエンジン。
- 原動機付自転車 最高速度が45km/hを超えないこと、50cmの立方体容量を持つエンジンを搭載した2つまたは3つの車輪。
5つのトレーニング
- 運転をめぐる個々の表現の交流について
- オフロードドライバー研修
- 交通規則
- 一般道路でのドライバー研修
- リスクの意識について(未成年者の場合は、親または法定代理人のいずれかが同席しなければなりません)
実習時間
2日間の実習 合計8時間(1日最大4時間)
実習費用
自動車教習所での実習費用は150~400ユーロです。
証明書の発行
実習を受けたという証明書を受け取ることができます。
未成年の場合は、両親または法定代理人のどちらかが出席しなければなりません。
AM免許証の申請
その後、運転する為にAMの運転免許証を保持する必要があります。免許の申請は、ANTSのサイトからできます。
- 身元証明
- デジタルパスポートサイズの写真1枚
- 実習終了証明書
- ASSR1級、ASSR2級またはASRのコピー
- 外国人の場合:合法的に居住していることを証明するか、6ヶ月以上フランスに滞在していることを証明すること
「AM免許証」は、 15年間有効で、欧州連合のすべての国で使用が認められています。
自動車を運転するにはB免許
「自動車免許証 B」 B免許で一般自動車を運転することができます。
現在、15歳から免許取得に向けて準備することができるようになりました。しかし、一般路上を1人で運転出来るのは18歳からなので、免許を取得できても18歳になるまで待たなければなりません。
下記の条件を満たした、経験5年以上の免許取得者が同乗している場合は、まだ18歳でなくても運転技術を取得する為に運転することができます。
同伴者
同伴運転する為に、家族や友人でも可能です。
- 有効な免許を5年以上保有していること
- 交通違反をしていないこと(飲酒、スピード違反など)
- 事前に保険会社の同意を得ていること
- 同行者を複数名指名することも可能
自動車教習所経由でも、個人でも、登録・受験準備(交通法規+運転実技)ができていればB免許証取得の試験を受験することができます。18歳以下の受験者も条件付きで試験を受けることができますので、下記のサイトを参考にして下さい。
14歳から運転できる車 ”シトロエン アミ”
”シトロエン アミ”は、フランスの自動車メーカー「シトロエン」の 100% 電動2名乗りの小型シティコミューターEVです。
”シトロエン アミ”のボディサイズは、全長2410mm、全幅1390mm、全高1520mm。車両重量は485kgに抑えられています。
コンセプトとして、バスや地下鉄、路面電車などの公共交通機関のほか、二輪車、自転車、スクーター、キックスクーターなどの代替手段として開発されました。このEVは、14歳から運転可能な車なのです。
通学する為の移動手段として流行するかもしれませんね。
1分単位でのカーシェアリングが可能(新車として購入できるほか、例えば1年間の長期リース、1分、1時間、1日単位でのカーシェアリングなどにも利用できる。1分間の利用料金は、0.26ユーロ)、スマホ(USBケーブルで接続可能)をダッシュボードに置くことができ、1回の充電での航続は最大75km、バッテリーの充電は、220Vソケットでおよそ3時間で完了します。
ユニークなボディカラー(ブルーグレー)でおしゃれなデザインに仕上がっています。また、価格を下げるためにモロッコのPSA工場で生産されています。車体価格は、6,900ユーロです。
Voiturette ヴォワチュレットのまめ知識
1891、「Voiturette ヴォワチュレット」という言葉は ”ミニ乗用車” を表します、フランスのレオン・ボレが発明したオート三輪車を指す言葉として最初に使用しました。
フランスでは、1920年7月30日の財政法により、サイクルカー(1人乗りまたは2人乗り、重量350kg以下、エンジン容量1,100cc以下の車両)に年間100フランの固定税が課され、1925年にこの有利な税制が廃止されるまで、軽自動車の販売が盛んに行われました。
ヨーロッパでのヴォワチュレットの成功は、1956年のスエズ危機の影響もありました。原油価格が高騰する中で、安価な小型自動車の需要が生まれたのです。
現在でも、ヴォワチュレットの歴史は続いています。